2対8の法則

 

2対8の法則というのをご存知ですか。自由主義・資本主義社会では自然と上位二割の人間が八割の富を所有するという法則です。例えば、人口が100人の国があったとしましょう。そして国民総所得が100万円の場合、上位20人が八割の80万円を取得するので平均所得4万円です。80人が残りの20万円を分け合うことになるので、ひとり平均は2500円、実に16倍の格差が生まれます。

 

ついに日本も、こうした社会の実現に踏み出したのです。

 

これまでの日本社会は、良くも悪くも「護送船団方式」で進んできました。ところが、バブルの崩壊後、このシステムが機能しなくなったのです。一艘の船の沈没が船団全てを沈没させてしまう事態に陥ったからです。

 

また、もうひとつ見逃せないのが日本の人口構成の劇的な変化です。ご存知のように2006年を境に日本の人口が減少へと向かいます。たぶん、先進国の歴史上、初の事態を迎えることになります。人口の減少とは市場の縮小に他なりません。今後、右肩上がりの経済は難しいのです。

経済界の合従連合は、こうした社会構造の大変化を見越したものなのです。リストラ(再構築)は不況だけが原因ではなく、歴史的必然と言っても良いでしょう。(不況時ならば過去何度もあったはずです)

 

護送船団社会から2対8の法則社会へ。その変化に必要な概念(哲学)のキーワードは「自己責任」です。

 

これまでの日本は総中流社会と呼ばれ、他者責任で生きていくことができました。「まあまあの成績」をとっていれば「まあまあの企業」に入ることができ、「まあまあの生活」が保証されてきました。総中流社会の所以です。それを支えていたものは、言うまでもなく「年功序列」と「終身雇用」です。常に「人並み」が求められ、「普通」をもって「良し」とされてきました。子供たちは「真ん中の成績」を要求され、ほとんどの親がそれを望んできました。

 

ところが、2対8の社会では「真ん中」は確実に8のグループに入ってしまいます。これでは、かつてのような「普通の幸せ」を手にすることができません。我々大人は、これまでの価値観をきっぱりと捨て去る覚悟が必要になってきています。「普通の成績を取ってくれたら…」というのは旧価値観そのものなのです。